154回日商簿記検定試験解答速報の情報

日商簿記の合格率が低い理由、合格率から試験の難易度を傾向分析

日商簿記の合格率が低い理由、合格率から試験の難易度を傾向分析

日商簿記の資格試験の等級は、初級~1級まで存在しますが一般的な資格試験に比べて合格率が低くなる傾向にあります。今回は、各資格等級別の合格率と受験者数の推移を交えながら、何故合格率が低くなってしまうのか傾向分析を実施したいと思います。

日商簿記と親和性の高い資格群の合格率

簿記の合格率を相対的に比較するための目安として、簿記と相性が良くネームバリューの高い資格の合格率を参考に整理しておきます。

どの資格も皆さん一度は耳にしたことがある資格ばかりだと思いますが、合格率的にかなりの難関資格となっています。これらの合格率と比較しながら簿記の合格率を確認してみて下さい。

■簿記と相性が良い資格の合格率一覧
資格名 平均合格率 最低 最高
税理士 15.6% 13.2% 20.1%
公認会計士 9.8% 7.5% 11.2%
社会保険労務士 5.9% 2.6% 9.3%
宅建士 16.0% 15.3% 17.5%
FP3級 学科(日本FP協会) 75.7% 67.2% 85.3%
FP3級 実技(日本FP協会) 85.5% 76.8% 93.8%
FP2級 学科(日本FP協会) 39.1% 31.5% 47.8%
FP2級 実技(日本FP協会) 57.2% 45.9% 63.9%
FP1級 学科(きんざい) 11.7% 4.8% 15.4%
FP1級 実技(日本FP協会) 92.3% 87.0% 97.7%
補足
  • 税理士・公認会計士・社会保険労務士・宅建士資格は、平成24年度~平成29年度の合格率です。
  • 税理士は、5科目の平均値を記載していますので、一発合格の数値ではありません。
  • ファイナンシャルプランナー(FP)は、平成26年01月~29年09月の合格率です。

日商簿記3級の合格率と受験率の推移

初学者向けの入門資格である簿記3級の合格率・受験者数の推移を分析しています。初学者向けなので楽勝!と言うイメージを持っておられる方も多いことでしょうけど、果たしてイメージそのままの結果となっているのでしょうか?

日商簿記3級の合格率の推移

日商簿記3級の合格率の推移

日商簿記3級の合格率は、平均値で言うと大体40%程度となりますので、初級者向けの資格であれば平均して60%以上の合格率はあっても良さそうなものなのですが、低めの合格率となっていますね。

合格率のグラフは結構ギザギザ上下している事が見て取れます。簿記3級を受験される方の多くは、初心者に相当する方々が大半を占めていますので、出題内容によって大きく合格率が上下する事になります。

極端に合格率が上下した後は、その後40%程度の合格率に収束するように推移しています。大きく合格率が下落した後は、一度不合格になった方が再度受験しますので合格率の回復に大きく寄与していると考えます。

さらに、出題内容に調整が入っていると一概に結論付ける事は出来ませんが、経験上少なからずあると考えています。

日商簿記3級の受験者数・受験率の推移

日商簿記3級の受験者数の推移

金融業務と縁深い資格なのでリーマンショックの影響から受験者数が激減するかと思いきや、緩やかに上昇を続けており底堅い需要があることを示しています。しかし、東日本大震災を皮切りに一旦緩やかな減少傾向に転じます。大規模地震が社会的閉塞感を助長した形と言えそうですね。

近年は受験者数の減少が止まり、ほぼ横ばい状態で推移しています。各開催回ごとの受験者数が毎回80,000人クラスというのは、日本の資格試験としては上位に位置しており、景気動向に左右されずらい安定した資格と捉えている方が多いと分析出来ると思います。

日商簿記3級の受験率の推移

続いて、受験者のやる気を示す受験率の推移ですが概ね75%前後で推移しています。平成28年度試験から出題区分の大幅変更が実施されたのですが、簿記3級に関してはそこまで大きな影響がなかったためか、途中離脱で諦めた方が続出したような傾向はみられません。

日商簿記3級は1~2週間で合格する程簡単?本当なの?

簿記3級は1~2週間で合格する程簡単なのか?
簿記3級は1~2週間で合格する程簡単って聞いたけど本当なのかな?パット見合格率は低いみたいだけど・・・。

上記のご意見が散見されますが、これはあくまで会計・簿記・経済に関わる各種学校の卒業者や実務経験者の方に限った話です。簿記に全く縁の無い方が短期で合格できるか?という問に対する答えはNOと自信を持って言えます。

管理人は確率・統計学分野の出身なので計算にはわりかし自信がありましたが、幾ら計算(算数)ができようとも簿記における仕訳の仕方や勘定項目の多さには最初は戸惑いを覚えましたし、考え方に慣れるのに始めは苦労すると申し上げておきます。

受験率は70%半ばで推移しているものの、この中で簿記の考え方に十分頭が順応しきった方と言うのはおおくないと考えるべきです。そのため少し問題が難化すると対応出来ずに大きく合格率が下落する形となります。

日商簿記の試験はマークシート形式ではなく記述式となります。そのため、途中計算ミスや転記ミスをすると1問根こそぎ落としてしまう結果となります。たまたま正解を引いたという運に左右されにくいので、合格率も低くなってしまうわけです。

また、受験料2,800円で年3回と言う受験ハードルの低さから「とりあえず受けておこう」と言う記念受験者を多く生む要因になっていますので、これも合格率を低くする大きな要因となっています。

簿記3級は絶対評価なので、70%以上得点出来れば合格となりますからしっかりと実力を身に着けた方は、出題内容と十分闘う事ができると思いますので、実のところ40%という低めの合格率に臆する事は全くないと考えます。

まとめると、簿記3級の合格率は一見低いですがこれは受験者の水準にバラツキがあるためで、真面目に学習した人にとっては合格率はあまり意識する必要はないと言えます。

日商簿記2級の合格率と受験率の推移

日商簿記2級の合格率と受験者数の推移を分析しています。中級者向けの資格だけに初級・3級に比べて合格率も低くなっている事が予想されます。

日商簿記2級の合格率の推移

日商簿記2級の合格率の推移

簿記2級の合格率30%というのは、日本に数ある中級者向けの資格の合格率としては平均よりやや下の値となっています。出題範囲が広く問題も難しくなっており、工業簿記が出題範囲に加わる事で合格率は低くなっています。

簿記3級の合格率が40%程度なので、あまり変わらない印象を受けるかもしれません。しかし先程述べたように、3級の受験者の実力はかなりバラツキがあるがため低く出ていますので、単純に比べる事は出来ません。

平成28年(2016年)6月以降段階的に出題範囲の変更が実施されており、合格率のグラフは大荒れの様相を呈しています。この状況が落ち着くまで見送りしている方も多いのではないでしょうか。

過去の会計基準の見直し等で試験範囲的に最も影響を受けているのが、実践的資格等級である日商簿記2級と言えますので合格率はかなりバラツキが出ています。

日商簿記2級の受験者数・受験率の推移

日商簿記2級の受験者数の推移

受験者・実受験者数は東日本大震災を皮切りに下落傾向を示していますが、平成28年(2016年)6月以降の出題範囲変更前に、滑りこみ受験者が多数出た事が記録されています。「受けようかな~どうしようかな~」と、悩んでいた方々のお尻を叩いた結果ですね。この時約70,000人の方が受験されていますので、潜在的な受験者数は多数いると分析出来ます。

日商簿記2級の受験率の推移

受験率のグラフを見ると平成28年(2016年)6月以降の出題範囲の変更を勘案して、受験をスキップもとい諦めた方が多数出たと言う事が明白です(統計は正直ですね・・・)。しかし、落ち着いたら受験率は元の水準に回帰すると考えます。

簿記2級の合格率が低い理由

簿記2級の合格率が低い理由は、3級に比べて出題範囲が広く問題が難化するという単純な理由は当然ですが、初学者向けの3級を飛ばして実践資格である2級をいきなり受験した方々が、まったく歯が立たずに玉砕しているケースが多いと考えます。

また、新しい学習範囲である「工業簿記」の取扱い方(学習方法)による所が大きいと考えています。

■簿記2級の配点予想
範囲 問題 配点 出題内容
商業簿記 1 20点
  • 仕訳に関する問題
2 20点
  • 勘定記入
  • 理論問題
  • 銀行勘定調整表
  • 株主資本等変動計算書
3 20点
  • 精算表作成
  • 財務諸表作成
  • 本視点会計
  • 連結会計
工業簿記 4 20点
  • 個別原価計算
  • 本社工業会計
  • 総合原価計算
  • 費用別部門別計算
5 20点
  • 総合原価計算
  • 標準原価計算
  • 直接原価計算
  • CVP分析
合計 100点

簿記2級は全体で70%以上得点することで合格ですが、上記の通り「工業簿記」が40%を占めています。工業簿記を疎かにしていると、商業簿記で幾ら得点が稼げても合格は出来ませんし、学習順序を誤ってしまうと商業簿記も工業簿記どっちつかずの実力で本試験に挑むことになってしまいます。

簿記の3級で商業簿記の基礎を叩き込んでいると言う前提の元に言うと、先に新しい試験範囲である工業簿記を学習してから商業簿記の学習に移ったほうが予実管理もやりやすく、挫折しにくいと考えます。

簿記2級の「商業簿記」は、3級に比べて仕訳・勘定項目・論点など幅が広がる事は言うまでも無いのですが、簿記3級で基礎を学んだ方にとっては「意味不明」と言う状態に陥る事は少ないと思いますので、簡単に表現すると知識の厚みを増やす作業がメインとなります。

対して「工業簿記」は、ご存知の通り我々日常の感覚と扱う範囲が少しずれているために新たな知識を入れると言った側面が強くなります。そのため思わぬ進捗の遅滞が発生する事もあり、それなりに時間を要します。

通常、試験日程から逆算して「何時頃」から学習を始るのかをスケジューリングするわけですが、「工業簿記」に関しては、後回しにすると十分な得点が出来ず全体として不合格になってしまうリスクがあると考えます。

スケジュール通りに行かないリスクを極力排除するために先に「工業簿記」を片づけてしまおうと言う訳です。この方法は、様々な資格講座やテキストで言われている一般的セオリーとなりますが、管理人の個人的な感想からも効率的で先の見通しが立てやすい学習方法と言えます。

更に、商業簿記に比べて工業簿記は出題パターンが多くないため、得点源として機能しますから先にしっかり押さえておくと合格基準にグッと近づく事が出来ます。

日商簿記1級の合格率と受験率の推移

最後に日商簿記最高難易度である1級の合格率・受験率を見ていきましょう。

日商簿記1級の合格率の推移

日商簿記1級の合格率の推移

「極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析ができる」と商工会議所のHPに記載のある通り、高難易度資格である事をうかがい知る事が出来ます。

合格率は平均10%程度と高難易度である事は疑いようがありませんから、学習範囲の広さや出題難易度も相まって、完全独学での合格は非常に厳しいラインとなってくるでしょう。

日商簿記1級の受験者数の推移

受験者数は緩やかに減少傾向を示しています。少子化に伴う現役世代の減少を勘案すると、転職・就職に有利な3級・2級の受験者数は維持されていますが、取得に時間の掛かる1級についてはコスパ的にそこまで重要視されないというマインドが働いている結果と分析しています。

また、日商簿記1級の合格によって税理士の受験資格を得ることが出来るわけですが、受験資格を得るだけならば全経簿記の上級の方が合格率が高いためそちらへ受験者が流れていると言った事情も少なからずあると考えます。

日商簿記1級の受験率の推移

簿記1級の受験率は、ほぼ横ばいとなっています。

簿記1級の合格率が低い理由

簿記1級は、合格率で見ると公認会計士・社労士・宅建士・FP1級に匹敵するほど高難易度資格となっています。また、3級・2級に比べて10%前後で比較的合格率が安定していると言うのが特徴です。

これは、税理士や公認会計士を目指す方が受験されているので合格率が安定しているという意見と、実は相対評価によって合格率10%程度になるように調整が入っているのでは?と言う意見も見受けられます。

上記については納得する部分も多々あるのですが、いかんせん予測なのでもう少し実態に則したデータとして以下 の記事で学習時間の目安を記載していますので、簿記1級がどれほど難関資格であるかを理解するための目安としてご一読頂ければと思います。

【日商簿記】主婦・サラリーマンが一発合格する勉強時間と開始時期

日商簿記初級の合格率と受験率の推移

日商簿記初級

「初級?そんなのあるの?」という方が多いかと思いますが、日商簿記には初級がありますのでせっかくなので、合格率等分析しておきたいと思います。

ちなみに平成29年04月迄は4級と言われていたのですが、平成29年04月以降は「初級」に生まれ変わり、インターネットによるオンライン試験に変わっています。

日商簿記4級の合格率の推移

日商簿記4級の合格率の推移

40%程度の合格率なので、簿記3級の合格率とあまり変わらない難易度であると言えます。ただし、後述している受験者数を見るに圧倒的に受験者数が少ないため、記念受験者やお試し受験者が多発していると考えられますから、合格率の実態はもう少し高いはずです。

平成29年04月以降の試験はインターネットによるオンライン試験に変更となっていますので、以下の通り年度毎の統計値が示されています。

期間 受験者数 合格者数 合格率
平成29年4月1日~
平成30年3月31日
4,167名 2,243名 53.8%

日商簿記4級の受験者数・受験率の推移

日商簿記4級の受験者の推移

直近の受験者数は年度毎でいうと2,000人を下回る状態が続いており、知名度が上で学習範囲もかぶっている簿記3級にほとんどの受験者が流れてしまっている事を物語っています。

とまあ、簿記4級は3級の劣化版と言う位置づけになってしまっていたわけですが、平成29年04月以降以下の通り目的を変更して「簿記初級」としてインターネット試験に変更されました。

今までの簿記4級の要旨
  • 複式簿記の仕組みを理解し、初歩的な記帳ができる。
  • 小規模商店の経理事務に役立つ。
生まれ変わった簿記初級の要旨
  • 簿記の基本知識を短期間でこれを習得するための目標となる資格と学習支援の仕組みの構築
  • 簿記初学者が簿記の基本をしっかりと理解し円滑に学習を継続出来る
  • 学習の進捗に応じて習得度を確認しつつ、きめ細かな指導を図る事

上記のように、よりリアルタイム性を求めている企業のニーズにあうようにインターネット試験に変更されています。簿記入門者向けの試験であることに変わりは無いと思いますが、インターネット試験にする事で門戸を広げ、広く簿記の魅力を知ってもらう方針へ転換したと考えます。

年度毎に2,000人を割っていた受験者数は回復して、平成29年度は4,167名の受験者数となっており成功の兆しが見えます。

日商簿記4級を受けるメリットはあるの?

簿記初級は入門編に位置しているのですが、簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し業務に利活用することができる事を要旨としていますので、インターネットでお手軽に初級を受験、なんて安易に考えていると簡単に不合格になります。

世間的な認知度は今ひとつであることから、初学者はこぞって簿記3級からスタートしてしまう傾向にあります。「アイマスとコラボしてるじゃん!」と、管理人の中で個人的に話題になっている程度の知名度なので、個人が初級を受けるメリットはあまり無いように感じます。

対して、教育機関や企業にとっては生徒や社員の実力を測り継続的に教育を進める上で、リアルタイム性が高いインターネット試験に生まれ変わった初級は、メリットがある資格等級であると言えますし、3級と上手く棲み分け出来ていると言えそうです。

日商簿記の合格率が低い理由、総まとめ

役に立ちそうな資格なので調査してみたけど、合格率が低いので諦めてしまう・・・。これは、とってももったいない話だと思います。

感覚ではなく統計上の数値として分かりやすい値が示されてしまうと、信じてしまうのは致し方ないことですが、その数値が妥当であるかを分析する事は大切です。日商簿記は受験条件が無いため、どのような方でも受験出来てしまいますから、総じて合格率が低く出てしまう結果となっています。

他資格と比較した時に「何だか合格率が低いなあ、難しそう」と言う感覚はあまりアテにならないと言えますので、簿記初学者の方は、一度資格講座やテキストの問題や解説を斜め読みしてみる事をおすすめいたします。

簿記は、基本的な算数が出来れば全ての出題内容にセオリーが存在しますので、数をこなせば慣れる事が出来ます。如何に沢山のパターンに触れて、引き出しをどれだけ持っているかが鍵になると考えますので、70%以上の正答率を維持できるように過去問等でしっかりと経験を蓄積する事が合格への近道です。

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